法科大学院設置計画履行状況等調査の結果等について(平成21年度)
文部科学省のサイトでは、
平成21年度の法科大学院設置計画履行状況等調査の結果等について公表されています。
(文部科学省/2010.02.05)(一部抜粋)法科大学院設置計画履行状況等調査の結果等について(平成21年度)
//総合所見//
全体的に見れば,調査対象となった18の法科大学院において,それぞれが設定した理念・目的を実現するために,教育課程の質的充実・改善を軸に,設置計画に沿った種々の創意工夫ある取組が行われ,昨年度のアフターケアにおいて付された留意事項にもおおむね適切に対応する努力が払われている。これにより,留意事項を付した法科大学院は6にとどまり,12の法科大学院については留意事項が付されない結果となった。また,本年度の調査対象となった法科大学院について,昨年度においては21項目の留意事項が付されていたが,本年度の留意事項は9項目にとどまっている。
このように,調査対象法科大学院において,開設以降の経験を踏まえ,教育内容・方法等の改善・充実に向けて,努力が続けられていると評価することができる。
しかしながら,大規模な法科大学院において一科目の履修学生数の制限,適切な規模のクラス分けが未だ適切に行われていないところがあった。
また,教育課程の編成・運営状況について,「学修相談」という名目で,その内容が司法試験の対策を目的としていないかが懸念される法科大学院や,授業評価アンケート結果の学生へのフィードバック,授業改善に向けた教員間の情報共有・意見交換など,ファカルティ・ディベロップメント(授業内容及び方法の改善を図るための組織的な研修及び研究)について一層の取組が求められる法科大学院も見られた。
さらに,教員組織の整備状況などについて,未だ専任教員の年齢構成に偏りがある法科大学院が一部残っており,早期の対応が望まれる。
これらの法科大学院には,今年度の留意事項を踏まえ,適切な創意工夫・改善を期待したい。
今年度の調査結果を踏まえて留意事項を付した法科大学院は,別紙3のとおりであるが,これらの留意事項は,今年度の調査時の状況に基づくものであることを付言しておく。
なお、調査対象の18の法科大学院のうち、6の法科大学院に留意事項が付されたようです。
留意事項の内容をいくつかご紹介しておきます。
(文部科学省/2010.02.05)(一部抜粋)■東京大学大学院 法学政治学研究科 法曹養成専攻
・法律基本科目の授業について,1クラス50名が標準とされていることを踏まえると,全体的に未だクラス規模の適正化が図られているとは言えず,引き続き適切な対応をとること。■愛知学院大学大学院 法務研究科 法務専攻
・正規の授業科目ではない「基礎学修相談」を時間割から外すとともに,オフィスアワーと位置づけるなど,その内容を適切に修正すること。