弘前大学 政府諸会議の提言について緊急声明
弘前大学は、政府諸会議が提言について、
同大学のサイトに遠藤正彦学長名で緊急声明が掲載しております。
(弘前大学/2007.05.25)(抜粋)政府諸会議における大学・大学院改革に関する提言等について(緊急声明)
本学は創設以来、教育研究水準の向上を図り、人類文化に貢献しうる教養見識を備えた人格者の育成を目的として、「世界に発信し、地域と共に創造する弘前大学」を基本理念に据え、国立大学法人の使命である教育、研究、地域貢献及び診療を展開するとともに、管理運営についても大胆な改革を進めるなど、大学活動全般の推進・改革に努めてまいりました。しかし、我が国の国立大学の運営については、過去においても様々な問題点が指摘され、法人化に伴って大きな制度改革がなされたとは言え、まだ解決すべき問題も残されて居ることも事実であり、本学においても種々の対策に励んでいるところであります。
さて、現在、教育再生会議や経済財政諮問会議、規制改革会議等の政府諸会議において、大学・大学院に関する様々な提案が検討されております。経済財政諮問会議(2月27日開催)における「大学再編を視野に入れた運営費交付金の配分ルール」に関する提言等について多くの議論がなされ、5月11日開催の規制改革会議においては、学生数に応じた運営費交付金等の配分と学生の選択の結果に基づく大学の連携・統合についての意見書が提出されました。今回の経済財政諮問会議等における提案については、我が国の高等教育機関のあるべき姿を考えるとき、人を育むための百年の計に真に耐え得るものか疑いを持たざるを得ません。また、地方大学がこれまで国及び地域に果たしてきた役割が評価されず、今まで以上に地域間格差が広がることにも繋がりかねません。
このような状況の中、既に4月11日に国立大学協会からも「深刻な危機感」が表明されているところであります。
21世紀における知識基盤社会にあって、本学のような地方国立大学は地域における「知の拠点」として中核的役割を果たすことが期待されておりますが、我が国における高等教育機関に対する公財政支出はOECD加盟国の中で最低水準であることは周知の事実であります。国立大学における運営費交付金は、大学の基盤的経費の一部をなすものであり、外部からの評価に基づいて配分されるものであることが法的に定められております。現在、文部科学省等からは、国立大学の運営費交付金の適正な配分を含む、高等教育への公財政支出の充実が提案されておりますが、本学としては期待を込めてこれらの問題に関する今後の動向に注目してまいりたいと思います。関係各位の更なるご理解とご支援をお願いするものであります。