神戸大学 特許出願の取り下げ(2)
神戸大学において、同大の教授が特許の出願をしていたのですが、実際は実験していないデータを出願書類に記載していたことが分かり、出願を取り下げた件について、関係者の処分等がきまったようです。
(神戸大学/2006.07.18)(一部抜粋)神戸大学の特許出願を巡って生じた一連の事案によって、 本学構成員及び学外関係各位に多大の御心配と御迷惑をお掛けしましたことをお詫び申し上げます。
1. 概要及び調査結果
今回、学内関係者から指摘された特許出願に関し、 平成18年4月29日に「神戸大学特許出願等に関する調査委員会」 (委員長:北村新三理事) を立ち上げ、調査を行いました。 その結果、当該特許出願は、現存しない装置を現存するように記載し、その装置を使用したとして未実施データを既実施とした記述を含むものでありました。 かかる行為が、教育研究機関である神戸大学の構成員による行為であることから、研究者の倫理に照らせば、その出願は適切でないと判断いたしました。したがって、既にその取下げを行っていたことは、 教育研究機関として特許問題に厳正に対応する必要があるという意味で、妥当であったと判断いたしました。
また、その特許出願を基に独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) の研究助成金を獲得したのではないかという報道もありましたが、事案となった特許出願の名称と特願番号などが表示されていた事実は認めるものの、 当該特許出願の内容が根拠となって、NEDO研究助成金を獲得しようとしたものではありませんでした。
2. 関係者に対する措置
関係者に対する措置としては、調査委員会の報告を受け、学長判断として、 発明者に対しては当該特許出願が教育研究機関である神戸大学の構成員として適切さを欠くものであったとして、また、 管理監督者に対しては迅速かつ適切な措置が十分にとり得なかったとして、それぞれ次のとおり決定いたしました。* 発明者3名のうち、教授2名を訓告、助教授1名を厳重注意
* 連携創造本部長及び工学部長を厳重注意3. 再発の防止
大学は真理の探究の場であり、 研究に従事する者は真理の探究の過程においてとりわけ真摯であらねばならず、特許出願においても、 このことを十分に理解していなければなりません。神戸大学では、このたびの事案を教訓として、特許出願とその管理体制を強化し、 このようなことが起こらないよう、万全を期してまいります。
当Blogで以前に書いた記事
→神戸大学 特許出願の取り下げ
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