2006年5月31日

「大学革新のためのIT戦略」

三菱総合研究所とマイクロソフトは2006.05.24に、大学におけるIT活用を検討する「第2回大学CIOフォーラム」を開催し、「大学革新のためのIT戦略」に関する提言書を発表しました。

(マイクロソフト/2006.05.24)(一部抜粋)

「大学CIOフォーラム」が「大学革新のためのIT戦略」に関する提言書を取りまとめ

 株式会社三菱総合研究所とマイクロソフト株式会社は、両社が共同で主催する「大学CIOフォーラム」を通じて、大学におけるITガバナンスやIT戦略ビジョン策定の中核を担う大学CIO (Chief Information Officer)や情報担当理事、情報関連機構・センターの責任者の方々と協力し、「大学革新のためのIT戦略」に関する提言書を取りまとめたことを発表します。

提言書は、「大学におけるITガバナンス」、「大学機能の強化と革新のためのIT戦略」、「安全かつ柔軟な情報基盤整備」の3部から構成されています。

「大学におけるITガバナンス」  IT に関する戦略立案、組織運営などの権限を持つ大学CIOを、すべての大学において早急に設置し、大学の経営戦略と連動した「IT戦略ビジョン」を策定すべきであるとしています。併せて、IT導入に対する客観的評価の仕組みを確立し、その評価結果を次のIT投資の判断に反映させることを提唱しています。


「大学機能の強化と革新のためのIT戦略」
 大学の主要な機能である教育と研究、経営やサービスの強化と革新に関して、ITが果たす役割を定義しました。

* 教育:学生の学習履歴を保存・参照するシステムの導入やeラーニングの利用の促進を通じた、学生一人一人に対する「カスタムメイド教育」の実現。
* 研究:電子ジャーナルや機関リポジトリなどを積極的に活用した、学術情報発信を強化。また、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)の利用領域の拡大や大学図書館のIT化などの推進。
* 経営・サービス: 財務会計・人事給与等の法人系システムの強化。成績管理・就職支援等の学務系システムとの連携。IT調達の一元管理により、コスト削減と適切なIT資産管理の実現。学生に関する情報を集約した個人別カルテや、学内の情報サービスをワンストップで利用できる全学統一ポータルの提供による、学生サービスの充実。

「安全かつ柔軟な情報基盤整備」  情報基盤の拡張・高度化と信頼性の向上、情報セキュリティ対策・コンプライアンスの強化、情報専門職の育成・活用について提唱しています。

* これまで学部、研究室ごとに構築されてきた情報基盤を統一し、ユーザー認証、ID 管理、セキュリティ設定などを一元管理することによる、情報基盤の信頼性・効率性などの向上。また、SOA(サービス指向アーキテクチャー)を導入した、柔軟なアプリケーション開発環境の整備。
* 情報セキュリティポリシーの策定と全学的なセキュリティ教育を通じた、セキュリティの重要性についての啓発活動の実施。コンピュータウイルス、不正侵入、情報漏洩などのリスクの的確な把握と、タイムリーな対応策の提示。また、個人情報保護や知的財産保護などに関するコンプライアンスの徹底。
* 情報環境整備を担う情報専門職のミッション・職務機能・スキル・責任範囲の明確な定義と、人材評価制度やキャリアパスとの適切な連動。また、アウトソーシングの戦略的な活用の提案。

なお、この提言書は三菱総研およびマイクロソフトが、全国の大学、関係省庁、公的機関、企業などに幅広く配布する予定だそうです。


情報システム部門の私としては、目を通しておかなくてはならないモノだと思っています。
早く届けてください・・・。

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