2006年5月17日

「教授」ではないのに、「教授」と記載!?

日本赤十字秋田短期大学の時光直樹学長が、「教授」の職ではないのに、同短大のホームページなどで「教授」と記載されていたようだ。講義も担当している。
(現時点でホームページなどは修正されているようです)

さて、報道されている記事などを見ると、この問題で注目すべき点は2つ。

一つは、「教授」という職について・・・。
学校教育法によると、


第五十八条  大学には学長、教授、助教授、助手及び事務職員を置かなければならない。
○2  大学には、前項のほか、副学長、学部長、講師、技術職員その他必要な職員を置くことができる。
○3  学長は、校務をつかさどり、所属職員を統督する。
○4  副学長は、学長の職務を助ける。
○5  学部長は、学部に関する校務をつかさどる。
○6  教授は、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。
○7  助教授は、教授の職務を助ける。
○8  助手は、教授及び助教授の職務を助ける。
○9  講師は、教授又は助教授に準ずる職務に従事する。

学長」と「教授」は、まったく別でして、
学長だから、教授というワケではないようです。

また、大学設置基準によると、

(学長の資格)
第十三条の二 学長となることのできる者は、人格が高潔で、学識が優れ、かつ、大学運営に関し識見を有すると認められる者とする。
(教授の資格)
第十四条 教授となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。
一 博士の学位(外国において授与されたこれに相当する学位を含む。)を有し、研究上の業績を有する者
二 研究上の業績が前号の者に準ずると認められる者
三 学位規則(昭和二十八年文部省令第九号)第五条の二に規定する専門職学位(外国において授与されたこれに相当する学位を含む。)を有し、当該専門職学位の専攻分野に関する実務上の業績を有する者
四 大学において教授、助教授又は専任の講師の経歴(外国におけるこれらに相当する教員としての経歴を含む。)のある者
五 芸術、体育等については、特殊な技能に秀でていると認められる者
六 専攻分野について、特に優れた知識及び経験を有すると認められる者

ということです。
ちなみに時光直樹学長は博士号をお持ちのようで、「教授」の要件は満たしているのですが、
学内審査などによって「教授」になっていたわけではないんだそうです。

二つ目は、「講義を担当している」こと・・・。
というわけなんですが、

大学設置基準によると、

第八条 教育上主要と認められる学科目(以下「主要学科目」という。)は、原則として専任の教授又は助教授が担当するものとし、主要学科目以外の学科目については、なるべく専任の教授、助教授又は講師が担当するものとする。

となっているので、
教授ではない「学長」は原則として講義を担当できないわけです。

もしもっといい文献や文部科学省からの文書などありましたら、教えてください。

(.asahi.com/2006.05.12)
日赤秋田短大学長 教授の認定ないのに授業

*どのカテゴリにしていいか悩んだので、「就任・退任」にさせてもらいました。

[関連サイト]
日本赤十字秋田短期大学

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://university-staff.net/mt/mt-tb.cgi/2049