2006年5月 1日

北陸先端科学技術大学院大学 教員に年俸制

北陸先端科学技術大学院大学で、教員に年俸制が導入されるようです。
なお、この年俸制により優秀な研究者を集めることが可能という考えもあるようです。

(北陸先端科学技術大学院大学/2006.03.28)(抜粋)

本格的な年俸制を導入し、世界的な研究者の招聘を可能に

 本学は、去る23日に開催された役員会で、新年度から、世界的な研究者の招聘を可能とする本格的な年俸制を導入することを決定しました。このような年俸制を導入する国立大学は全国でも初めてです。

新設する特別招聘教授に適用

 この年俸制は、新たに設けられる「特別招聘教授」に適用されるもので、場合によっては本学の役員と同等以上の年俸を得ることも可能となります。具体的な額は、招聘される研究者の業績を基本として、本学で携わる教育研究の内容をもとに学長が決定する仕組みとなっています。退職金は支払われますが、定期昇給は行われず、ボーナスも支給されません。

業績評価に基づき給与を決定

 国立大学の法人化によって国立大学教員は非公務員化され、給与はそれぞれの国立大学法人の自主性・自律性に基づき決定できることとなりましたが、法人化後まだ日も浅いため、教育職国家公務員の給与制度に準じて決定されているのが一般的です。そのような場合に、世界的に優れた業績を上げた研究者を海外の大学等から招聘しようとしたり、国内の民間企業の優れた研究者を登用したりしようとすると、公務員等としての勤続年数が少なく、給与水準が低くならざるを得ないという状況が生じます。
 世界レベルの先端科学技術の創造と人材育成を目指す本学では、このような課題を解決することを目指して、新たに年俸制を導入することを決定しました。
 今回導入を決定した本学の年俸制では、これらの機関で上げた研究業績等をベースとして本学での年俸額を決定するため、これまで招聘できなかったような世界的な研究者に本学で教育研究に携わってもらうことが容易となります。

任期を定めず雇用

 また、本学では教授を含めて6割以上の教員に任期制が適用されていますが、特別招聘教授は任期を定めないで雇用することとします。その一方で、3年ごとに学長が業績評価を行い、次の3年間の毎年の年俸額の決定に反映する仕組みをとって、安定的な教育研究環境の中にも活性を維持できる制度としました。

本格的な年俸制

 これまでも、幾つかの国立大学で年俸制によって教員を雇用する仕組みは実施されています。しかし、ほとんどの場合は国等からのプロジェクト研究資金の中で年俸額が決定されたり、いわゆる冠講座(寄附講座あるいは寄附研究部門)として企業等が人件費分を含めて寄附を行う中で年俸額が指定されたりしています。本学のように、学長が行う業績評価により年俸額を決定するという、大学主導の仕組みは見あたりません。

人件費削減の中でも優れた教員の確保に注力

 本学では、国から交付される運営費交付金の削減や、国家公務員に足並みを合わせて新年度から始まる人件費の削減などを踏まえ、一層のコスト削減に取り組むこととしています。しかし、本学に期待されている、先端的な科学技術の研究と人材育成の機能を強化してゆくために、教育研究の高度化や社会への貢献をリードし、学生の向学心を刺激するような教員の確保に対しては積極的に資源を投じてゆくこととしています。今回導入を決定した制度もそのような方針の一環です。

この年俸制では、役員の給与よりも上回ることがあるようです。
研究者であれば、自分の研究が認められているということで、ココロが動くかもしれませんね。

[関連サイト]
北陸先端科学技術大学院大学

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://university-staff.net/mt/mt-tb.cgi/2018