2005年5月15日

文科省補助事業の申請書類を漏洩

北海道浅井学園大学の学長が、「特色ある大学教育支援プログラム」で審査委員をつとめており、その関係の文科省補助事業の申請書類を学内の関係者に見せていたようです。

これは個人情報保護法とは関係ありませんが、情報の漏洩をさせないようにするには、一人一人のモラル(ルールを守るという)が必要不可欠だと思います。

「別の大学関係者は外部にも流出している・・・」という記事がありますが、これは記者が職員や教員に接触して得た情報なのでしょうか??
こういう事件があったときには、職員などにも記者が接触してくるんですかねぇー?

(北海道新聞)

文科省補助事業の申請書類 浅井大学長が漏えい 審査委員辞任

 大学・短大の教育改革を公募し、優れた取り組みに予算を重点配分する文部科学省の二○○四年度の「特色ある大学教育支援プログラム」で、審査委員を務める浅井学園大(江別市)の浅井幹夫学長が委員に義務づけられる秘密保持に違反し、十五校分の申請書類を学内の計五人に手渡していたことが十三日分かった。浅井学長は違反を認め、同日までに審査委員を辞任した。文科省は「内部書類の流出は事業の信頼性を揺るがす重大な問題」としている。

 プログラムには五つの審査部会があり、浅井学長は「学習支援の改善」がテーマの部会の委員で、十五校分の申請書類を保管していた。書類は新たに取り組むプログラムの細かな内容や地域との連携など各大学の計画が具体的に説明されている。

 文科省などが定めたプログラム審査の内規では「審査内容は非公開とし、(委員は)審査の経過を他に漏らさない」と義務づけている。

 文科省に今年二月、書類の外部流出を指摘する匿名の情報が寄せられたことから、同省が調査していた。同省などによると、浅井学長は審査期間中の昨年五-六月に副学長や学部長ら四人に審査の助言を求めるため申請書類を手渡した。事務局長には十五校分の書類を保管させていた。

 文科省大学改革推進室は「内部調査の結果、書類の保管は不適切だったが、審査は約十人の合議で公正に行われた」と言い、流出の審査への影響はなかったとしている。

 浅井学長は○三年度から審査委員を務め、任期を一年残し三月三十一日付で辞任。浅井学長は「(内規に)抵触する行為について責任を痛感し辞任した。関係者に迷惑をかけたことをおわびする」とコメントしている。

 一方、浅井学園大関係者は「申請書類は幹部だけではなく、教官らにも渡された。今後の申請に向けた研究が目的だった」と言う。また、別の大学関係者は「申請書類は浅井学園大の内部だけでなく、学外にも流出している」と証言する。
(2005/05/14)

(浅井学園大学)

特色ある大学教育支援プログラム実施委員辞任に係るご報告とお詫び

 冒頭に、大学基準協会から委嘱された特色ある大学教育支援プログラム実施委員としての私ごとのことで、新聞・テレビ報道によって皆さまに多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。
 実施委員辞任の経緯については既に報道のとおり「特色ある大学教育支援プログラムの審査に関わる資料の管理に不適切な点があった」ため、実施委員の平成17年3月31日付け辞任届けを提出いたしました。
 この間の事実経緯を以下のとおりご報告申し上げます。
・平成17年3月15日に文部科学省に匿名による文書が送付されました。その内容は、高等教育改革推進助成制度として実施され財団法人大学基準協会にその実施を委託している「特色ある大学教育支援プログラム」の申請や審査に関連し、大学基準協会から委嘱されている実施委員しか知り得ない文書が実施委員の一人である私が所属する短期大学から他に出回っていること、またそれを自校の申請に有利に利用したことについて告発するものでありました。
・平成17年4月4日に大学基準協会に出向き、実施委員の遵守事項(審査・評価に関し取得した情報を評価の期間だけでなく、その後についても漏らさない。)に反する事実があったことにつき謝罪し、実施委員辞任届けを提出いたしました。また、自校の申請に有利になるような行いは無いこと、学外への資料漏洩の形跡・確証は無いことを時系列の事実経緯を以て説明いたしました。
・平成17年4月7日に大学基準協会から会長代理として2名が来校し、本学6名からの事情確認等がなされましたが、本学からの漏洩の形跡は見あたりませんでした。
・平成17年4月15日に文部科学省に事実経緯報告書を以て説明を行い、資料流出によっても平成16年度の審査には全く影響を与えるものではなかったことが了承されました。
 本学の申請と審査に有利に活用されたかについては、実施委員会による二段階審査、ペーパーレフリによる審査、利害関係審査人の排除など二重三重の厳格な審査システムでなされており特定の大学等の審査誘導は到底できない措置が講じられています。また、私が学内の幹部教職員に相談した時系列の経緯からしても、あり得ないことで、文部科学省、大学基準協会、また実施委員会においても「審査に何らかの影響を与えるものではない。」との認識が示されているとおりであります。
 「投書」は審査の公正性を欠くものとして通報されたのであろうと推測するものです。しかし、それは不正な入手方法によって文部科学省及び報道関係に持ち込まれたものであり、そのこと自体は大変残念であります。
  これらも含め、ひとえに私の不徳のいたすところです。ここに責任を痛感し、関係各位にご迷惑をお掛けしましたことについて深くお詫び申し上げます。学内の幹部教職員に評価の助言を求めたことは、実施委員として、学長として軽率の誹りを免れませんが、特色ある大学教育支援プログラムの取り組みについて参考にもして頂きたかった一念であったことについては、何卒ご寛容をいただきたくお願い申し上げます。
 今後は先頭に立って、学生諸氏をはじめ広く社会からの信頼回復に向けて努めてまいる所存ですので、皆さまにおかれましては浅井学園大学並びに浅井学園大学短期大学部への一層のご理解とご支援を賜りますよう重ねて心からお願い申し上げる次第でございます。
浅井学園大学・浅井学園大学短期大学部
学長 浅井幹夫
(2005/05/16)

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