大学の財産 より活用可能
(朝日新聞)◆産学連携センター副センター長 谷川 徹教授
――日本政策投資銀行出身者として、大学における産学連携の意義は。
「大学の役割は教育、研究機関というだけでなく社会貢献もある。産学連携はその中核だ。自然科学だけではなく、文科系の知見の活用も積極的に進めたい。産業界や自治体に積極的に提言して、地域のシンクタンクをめざしたい」
――企業と連携する上での障害は。「国立大学は親方日の丸。社会貢献や目的実現に向けた効率的な組織運営に無関心だ。ただ、人材、知的財産を十分に使っていないので改善余地は大きい。大学の常識を社会の常識に近づけるためには、大学の構造改革が必要だ。意思決定のあり方も改革するべきだ」
――提携数を増やすことが目的化しているのでは。「包括連携を増やしすぎると質の低下を招く。今後は件数は控えめにして、質の維持向上、深掘りも必要だ。個別企業だけではなく、産業界全体と取り組む大型の連携も目指したい」
(2005/01/17)