2014年11月19日

大学における教育内容等の改革状況について(平成24年度)

文部科学省は、
平成24年度の大学における教育内容等の改革状況について調査を行い、その結果を公表しております。

(文部科学省/2014.11.18)(一部抜粋)

大学における教育内容等の改革状況について(平成24年度)

//調査結果の概要//

1 概要
○ 大学の教育改革は、コミュニケーション能力、課題発見・解決能力、論理的思考力等の能力の育成を目的とした授業科目を開設する大学数、ラーニング・コモンズの整備・活用を実施する大学数、学修成果として、獲得した知識等を新たな課題に適用し課題を解決する能力の調査・測定を実施する大学数等の増加に見られるように、着実に進展しています。
・コミュニケーション能力、課題発見・解決能力、論理的思考力等の能力の育成を目的とした授業科目を開設している大学数...平成23年度:528大学(72%)→平成24年度:566大学(76%)
・ラーニング・コモンズの整備・活用を実施している大学数...平成23年度:257大学(34%)→平成24年度:321大学(42%)
・学部段階において学修成果として、獲得した知識などを新たな課題に適用し課題を解決する能力の調査・測定を実施している大学数...平成23年度:83大学(11%)→平成24年度:110大学(15%)

○ 大学の国際化は、ダブル・ディグリーを実施する大学数、「英語による授業」を実施する大学数の増加等に見られるように、着実に進展しています。
・国外大学等と交流協定に基づくダブル・ディグリー制度を導入している大学数...平成23年度:130大学(17%)→平成24年度:140大学(18%)
・学部段階において「英語による授業」を実施している大学数...平成23年度:222大学(30%)→平成24年度:241大学(32%)

<今回の新規調査項目>
○ 新たに調査を実施した項目は、以下のとおりです。
・キャリア教育を推進する産学連携のための組織の設置
・シラバスの記載項目の状況

<今後の課題と求められる取組>
1 大学教育の質的転換に向けた改革サイクルの確立
学部段階で、シラバスにおいて準備学修に関する具体的な指示は約55%、学生の学修時間等の調査は約40%(平成23年度:約36%)、学修成果の把握は約36%(平成23年度:約29%)の大学が実施していますが、平成24年8月の中央教育審議会の質的転換答申で指摘されている、ディプロマ・ポリシーやカリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシーの明示とそれらに基づく教育課程の体系化・構造化、学生の学修時間等や学修成果の把握を行い、その分析結果を教育課程等の見直し・改善に結び付けていくことが重要です。
また、教員の教育面における業績評価・顕彰は約62%(平成23年度:約59%)の大学が実施していますが、その更なる展開や、特に学生の「能動的学修(アクティブ・ラーニング)」を推進する観点から、FD活動の活性化と専任教員の参加率を高めることが求められます。

2 社会人の受入れ
科目等履修生や聴講生として、就業者が約9,100人(平成23年度:約8,900人)、その他(主婦、高齢者等で職業に従事していない者)が約11,800人(平成23年度:約13,000人)の社会人が受け入れられていますが、履修証明プログラムの証明書交付者数は約2,000人(平成23年度:約2,300人)と減少しています。大学が、社会人の学修動機に応える魅力ある教育プログラムの実施や社会人に配慮した学修環境の整備等を通じて社会人の受入れを促進することは、今後ますます重要です。

3 学長を中心とした教学マネジメントの確立
教学マネジメントとして実施している項目のうち、学長補佐体制等の学長を中心とする運営体制の確立には約60%(平成23年度:約58%)、教学マネジメント確立のための学長と教授会の役割の明確化には約22%(平成23年度:約22%)の大学が取り組んでいますが、学校教育法の改正(平成27年4月1日施行)に則り、学長のリーダーシップの下で戦略的に大学を運営できるガバナンス体制の構築と、教学マネジメントの確立が求められます。

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