2013年2月13日

文部科学省 大学設置認可の見直しの方向性

文部科学省は、
「大学設置認可の在り方の見直しに関する検討会」において取りまとめられた報告を公表しています。

(文部科学省/2013.02.04)(一部抜粋)

大学設置認可の在り方の見直しに関する検討会(報告)

大学設置認可の見直しの方向性について

 大学は、知の拠点として、社会の変革を担う人材の育成と、世界的な研究成果やイノベーションの創出などにより、社会の発展を推進する重要な役割を担っている。同時に、地域社会の求める人材の育成や産学連携等を通じた地域貢献に積極的に取り組むことも大学の重要な役割として期待されている。
 大学に期待される役割が多様化する中で、大学がその期待に十分に応えていけるようにするためには、大局的視点に立った大学の在り方に関する議論が重要であるとともに、大学の質を保証する全体的な仕組みの確立が重要であり、その重要な一翼を担う設置認可の在り方についても、社会の変化に対応した一定の見直しが求められている。
 本検討会は、昨年11月の設置以来、文部科学大臣の要請を受け、大学の質の向上を図るため、大学設置認可の在り方を中心に幅広い視点から検討を行い、大学設置認可の見直しの方向性について、以下のとおり整理した。
 文部科学省において、本検討会での検討の成果を制度・運用の見直しに活かし、社会の期待に応える大学づくりに向けて取り組まれることを要望する。

1.運用の改善などにより早期の実施が期待される事項

 以下に示す具体的な見直しについては、運用の改善や基準の明確化などにより速やかな対応が可能と考えられ、早期の実施が期待される。

(1)学生確保等に係る審査基準の明確化

 大学として社会の要請に応え、安定的、継続的な運営が確保できるよう、学生確保の見通しや社会的人材需要等を十分に考慮することを審査基準上明確化する。

(2)審査の充実

(大学新設に係るもの)

1 全体構想審査の実施

 設置構想全体が社会的ニーズ等を反映し、現実性が十分に認められるものであることを確認できるよう、大学新設の際には、教育課程や教員等の内容の審査に入る前に、理事長(予定者)及び学長予定者を直接面接し、設置の理念を含む設置構想全体について説明を求める機会を設ける。
 大学と地域との関係は重要であるため、大学新設の場合について、自治体として大学に期待することや地域にとっての意義、大学との連携への意識等を確認する。特にキャンパスの誘致等があった場合については、大学に対する支援内容等を重点的に確認する。

(認可を要するすべての申請に係るもの)

2 学生確保の見通し等の審査体制の充実
 学生確保の見通しや社会的人材需要等が現実的なものであるか等を十分に確認するため、地域社会の人材需要等に詳しい者を専門委員等に加えるなどの審査体制の充実を図る。

3 リスクシナリオの確認
 学生が計画通りに確保できなかった場合でも安定的な大学運営が求められることから、対応方針(企業等でいう、いわゆる「リスクシナリオ」)について審査の過程で確認する。

2.速やかな具体化に向けた検討が期待される事項

 以下に示す見直しについては、さらに具体的内容の検討が必要であり、また、実施に際して一定の準備期間を設けることが適当なものも含まれているため、中央教育審議会や大学設置・学校法人審議会において具体化に向けた検討に速やかに着手することが期待される。

(1)設置基準等の明確化

 基準の解釈を明確にし、運用の透明性を高めるため、平成15年の準則化の際に廃止された細則的基準のうち、その後の社会変化等に照らし必要なものを規定し直すなど、抽象的基準を明確化し、基準の一覧性をさらに高める。

(2)学校法人のガバナンスの確保

 公共性の高い学校法人の適正な管理運営を確保するため、適切なガバナンス(内部統制やコンプライアンス等(設置認可後を含む))の確保や財務情報の公開について、審査基準において明確化する。

(3)審査スケジュールの見直し

 より充実した審査を行うために審査期間を延長するとともに、認可後に余裕をもって学生募集が行えるよう、認可時期の早期化を検討する。

(4)申請書類の作成方法の明確化

 審査に必要な情報を的確に入手できるようにし、かつ、申請者側、審査側双方の事務負担を軽減するため、財産目録等の申請書類について、作成方法の詳細なルール化やマニュアル化を一層図る。

(5)設置に必要な財産確保の徹底

 設置計画に係る財務計画の妥当性を十分確認することが重要であるため、寄附金等に係る提出書類の充実などにより、実態を伴った寄附であるかどうかを厳格にチェックする。同時に、虚偽申請や認可後の不適正な状況があった場合等のペナルティを強化する。

3.大学の質の向上のため、設置認可の見直しと併せて継続的に改善、充実を図っていくべき事項

 以上の見直しに加え、大学の質の向上のため、以下のような事項についても設置認可の見直しと併せて継続的に改善・充実を図っていくべきであると考えられる。

(1)認可後の事後チェック機能の強化を含む、質保証のトータルシステムの確立

(2)大学の閉鎖等の場合の学生保護の仕組みなど、退出の制度設計

(3)学生や保護者の立場に立った情報公開の一層の促進

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