2011年5月27日

日中韓の質の保証を伴った大学間交流に関するガイドライン

日中韓大学間交流・連携推進会議の第3回会議(2011.05.17)において、三国の代表がさらなる交流の拡大及び高等教育の発展のため、「日中韓の質の保証を伴った大学間交流に関するガイドライン」の内容を最終確認し、今後、各国政府がガイドラインを公表することに合意したようです。

(文部科学省)(一部抜粋)

Guidelines for Exchange and Cooperation among Universities in China, Japan and Korea with Quality Assurance(日中韓の質の保証を伴った大学間交流に関するガイドライン)

日本国、中華人民共和国、大韓民国の「日中韓協力ビジョン2020」に沿って、三カ国は、単位互換や共同学位及びその他のプログラムを通じた大学間交流の促進を目指している。一方、これらの三カ国は教育に関する質を保証する機関間の協力を促進することを通じ、交流プログラムの質を保証することを意図している。このことを踏まえ、本ガイドラインは、「日中韓大学間交流・連携推進会議」(以後「会議」と省略)における議論に基づき策定されたものである。

...(略)...

//目的//
 本ガイドラインは、日本、中国、韓国の大学間における質の保証を伴った交流・連携を促し、大学の国際競争力を共に向上させることを目的としている。本ガイドラインの目的は、大学間交流及び質保証の効果的な実施メカニズムを構築し、学生その他の関係者を保護するとともに、関連するステークホルダーが責任を実行し、連携を推進することを促すことにより、包括的な教育協力や、これら三カ国の人々の間に相互信頼志向の近隣パートナーシップに貢献することを目指すものである。

//高等教育ステークホルダーに対するガイドライン//
//関係大学に対するガイドライン//
1)内部質保証システムの構築
 関係大学は、交流プログラムの質を保証する効果的な内部質保証システムを構築することが求められる。この点、内部質保証の定義は、教育制度や学内の慣行によって様々であるが、その実施に当たり、以下の点については、三カ国の全ての関係大学において適用される。a)学校教育や教授に関する基本的な情報や、交流プログラムの詳細な情報の公表、b)体系的なカリキュラムを構成するとともに、作成されるシラバスや成績評価の水準や一貫性の維持に然るべき考慮を払うこと、c)包括的な教授システムや十分な管理の下、単位授与、成績評価、単位互換の手続きが国の定める法令等に適合していることを確認すること。

2)交流プログラムの効果的実施
 交流プログラムに参加する大学は、実施上の規則や緊急時の事前対応について明文化しておく必要がある。また、これらの大学は、交流プログラムの重要な事項や詳細について協定を定め、一般に公表し、定期的にフォローアップを行うことが求められる。大学はまた、質の保証に留意しつつ、単位互換システムの構築を模索することが、将来的な日中韓及び東南アジアまでも含む単位の互換や積立にかかるシステムの構築の下地となる点で、重要である。大学はまた、大学と学生の間で、単位互換や学位記の扱い等を含む学習成果が認定されるか否かについて確認し、それによって自国に戻った後に更なる学修を修められるような、「ラーニングアグリメント」を通じた連携大学との協力に対し、教育上の支援を提供することが重要である。

3)良質の学生支援
 全ての関係大学は、学生志向の原則に違うことなく、学生の利益と関心を保証することが必要である。プログラムへの志願者を含む学生に対して、自らのアカデミックキャリアにかかる意志決定のための十分かつ正確な情報源を提供することが重要である。交流プログラムの実施手順や要件は、明確で、透明性があり、理解しやすいものであるべきであり、大学は、留学生が情報サービスや申請サービス、及びその他の相談対応などの各種のサービスを活用でき、自らのアカデミックキャリアを準備できるような「ワンストップサービス」を出来る限り提供することが望まれる。プログラムの実施に当たっては、交流学生に対して、必要な言語訓練や継続的なサポート、「文化交流」のガイダンスや機会を提供することが望まれる。また、より良い支援を提供するため、カウンセラーやTA、ボランティア及びその他学内で利用可能なあらゆる人員を通じ、留学生とのコミュニケーションを確保することが望まれる。...(略)...


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