「単位がもらえる授業」なんて・・・
「○○先生のあの授業は、レポートを出せばとりあえず単位はもらえる」
そんな会話を学生時代にしたことがあります。
やる気のある学生と、やる気のない学生の差を評価するのはなかなか難しいと思います。きちんと授業に出席していることが「やる気」と考えて出席重視にするか、授業を理解していることを「やる気」と考えてレポート重視にするか、などなどいろんな意見があろうと思います。
いろいろやっても、学生はそのウラをかいて、なんとか単位をとる工夫(情報交換など)をするんですよね。(実体験・・・汗)
情報システム部門の私としては、なんとかITを駆使して、きちんと学生を評価できるような手助けができればいいなぁーと思っています。
(朝日新聞)「出席さえすれば『優』が来る」「代返可」などの授業は、もはや昔話。大学側が「楽勝科目」の追放に動きはじめた。毎回の出席確認は当たり前。科目ごとに「A」の人数などの成績結果を公表し「甘い採点」を抑制したり、登録科目の途中放棄を防ぐ対策を講じたりして、授業の質向上を目指す。これに対して、学生もインターネットや手作りの情報誌で情報交換し、対抗策を練っている。
同志社大は昨年度から、各科目の成績評価をホームページ上で公開し始めた。最高点の「A」から不合格を示す「F」まで、得点分布を掲載。同じ学部内でも、「A」の学生が8割を超える「楽勝科目」から、逆に不合格が7割近い「激辛科目」まで差が大きい。
教務部長の田端信広教授によると、これまでは教員同士ですら、お互いの採点結果は話題にしなかったという。説明責任を求めることで、ばらつく採点基準が徐々に平準化し、「勉強せずに高得点が取れる楽勝科目を徐々に改善させたい」という。
一度登録をした科目を最後まで学んでもらうため、単位の最大登録数を制限したうえ、途中放棄した科目は0点と換算して成績に反映する仕組みも導入した。「授業は教員と学生の真剣勝負。本来、楽勝科目などありえない」と田端教授は言う。
学生側も無策ではない。ちゃっかりと情報の共有化で新しい変化に対応しようとする。
同志社大の学生が作るインターネットの情報サイト「同志社ナビ」は98年の設立以来、口コミで講義情報を増やし、現在1万件超の「独自評価」をネット上で公開している。講義ごと、教員別に「出席確認」「おもしろさ」などを★の数で評価。「単位取得難度」は★10個が最高で「超楽勝」の意味と、取りやすい授業の差別化を図る。
早稲田大の政経学部も今月から、成績評価割合を学部のホームページ上で公開し始めた。「楽勝、必勝など不確かな学生の情報を、放置することに危機感があった」と教務主任の飯島昇蔵教授は説明する。
最高点の「秀」を5%以内とするなど統一した相対評価や、少人数教育の導入、過去の試験問題の公開などとも併せて「教員にも学生にも、厳しく授業に取り組んでもらう」ことが狙い。
早稲田大でも学生による情報交換が盛んだ。講義情報誌マイルストーンは今年、用意した2万3000部が入学式当日に売り切れた。編集部員は「講義要綱などでは分からない、履修のヒントを集めている」と人気の秘密を説明する。
一方、大学側と学生が協力して授業の質向上を目指しているのは慶応大の湘南藤沢キャンパス。
大学側と学生が手を組み、授業評価システムを立ち上げた。学生による評価や講義情報を即座に大学内のネット上に公開するようになった。
1学期間に最低2回、ネット上で講義について調査を実施する。「この授業で得るものがあったか」などの設問は学生と共に作った。任意回答のため、回収率は30~50%で推移しており、学生からは「結果が偏りやすい」などの指摘はあるが、率直な評価を「履修登録時の参考にする」との声が多い。
03年度、学生による授業評価を実施している国公私立大は約9割に及ぶ。しかし、結果を「教員・学生ともに非公開」とすることや、即時性、回収率などに課題も残す。授業改善のため模索は続いている。
(2005/06/27)