サービス満足度
「支払っている学費に見合った内容の教育サービスを提供していると思うか」という問いには、半数が「見合ってない」と答えているようです。
たしかに、坦々とした講義を聴いているだけの大学では、見合っていないと思われてもしょうがないかもしれません。施設や設備、充実した講義を提供してこそ、満足度が上がるのだと思います。
(日経ネット関西版)
大学生の意識調査(1)教育サービス満足度──就職支援、私大が優位大学受験の志願者数が定員を下回る「大学全入時代」が2007年に到来する。生き残る大学と淘汰(とうた)される大学を分けるのは、学生に提供する“サービス”の品質。だが日本経済新聞社の調査では、教育サービスに対する学生の厳しい見方が浮かび上がった。
●「名」より「実」
まず「大学受験をする際に何を重視して志望校を選んだか」を複数回答で尋ねたところ、最も多かったのが「偏差値」で55%。次いで「立地・通いやすさ」(44%)が多かった。
これに続くのが「教育カリキュラムの内容」で42%。「学費」(30%)、「大学のブランド力」(25%)を上回った。大学が提供する教育サービスの中身を吟味する学生が増えている様子がうかがえる。特に私立大学に通う学生では47%が「内容」を重視したと回答、「立地」(43%)よりも高かった。
高額な学費を支払う分、教育内容に対する学生の目は厳しくなっている。「自分が通う大学は支払っている学費に見合った内容の教育サービスを提供していると思うか」と聞いたところ、「そう思う」「ややそう思う」の合計と「そう思わない」「あまりそう思わない」の合計との比率は全体では五分五分。だが私立大学に通う学生では「そう思わない」合計の比率が58%と高かった。
大学は学生に様々なサービスを提供する時代に。特殊ゴーグルを使ったバーチャルな実験で学生の関心を高める(滋賀県草津市の立命館大学情報理工学部)
大学は学生に様々なサービスを提供する時代に。特殊ゴーグルを使ったバーチャルな実験で学生の関心を高める(滋賀県草津市の立命館大学情報理工学部)
●授業不満6割「自分が通う大学は学生のニーズをくんだカリキュラムになっていると思うか」との質問に対しては、全体の59%が「そう思わない」と回答。特に「農・水産・鉱業・生物」系(69%)、「理工」系(65%)で不満度が高い。
教育のきめの細かさを左右する教員数。「自分が在学する大学では教員1人当たりの学生数は適正だと思うか」と尋ねたところ、全体では53%が「適正だと思う」と回答。だがマスプロ教育との批判も多い文系学部では厳しい見方が目立ち、「法律・政治・経済」系では59%が「適正ではない」とした。
●インフラに課題
在学している大学の就職支援についての満足度は、国公立大学の学生と私立大学の学生の間で差が出た。「満足している」「ある程度満足している」と回答した割合は国公立大の学生の50%に対し、私立大学は60%で国公立を大きく上回った。
就職支援に「不満」と回答した学生に対し不満な点を尋ねたところ、「企業などの情報が少ない」が23%、「職員が少ない」が22%と、インフラの弱さを指摘する声が目立った。また19%が「就職相談会などの情報発信が消極的」と回答、大学と学生とのコミュニケーションの強化が求められる。
「教育サービスを向上するために大学が力を入れる点は何だと思うか」との質問に対しては、50%が「社会に出て役立つような教養教育の拡充」と回答、 43%が「インターンシップ制度の拡充など実社会との結びつき」を挙げた。卒業後をにらみ、大学が社会との関係を深めることを求める意見が多かった。