2016年3月30日

文部科学省 「第4次国立大学法人等施設整備5か年計画」

文部科学省は、
「第4次国立大学法人等施設整備5か年計画」を策定し、公表しています。

(文部科学省/2016.03.29)(一部抜粋)

「第4次国立大学法人等施設整備5か年計画」の公表

...(略)...
2.基本的な考え方

(1)国立大学法人等の施設が,質の高い,安全な教育研究環境を確保していくためには,国立大学法人等の施設の現状や課題を十分に踏まえた上で,以下の考え方に基づき,計画的かつ重点的な施設整備を推進していく必要がある。
第一に,施設の老朽対策については,今後,通常の維持管理では対応できない老朽化した基幹設備(ライフライン)に起因する事故や施設の劣化による教育研究診療活動への影響が危惧されることから,引き続き,耐震対策や防災機能の強化に配慮しつつ,インフラ長寿命化計画(行動計画)等を踏まえ,計画的かつ重点的に老朽改善整備を推進していく。
第二に,国立大学法人等の施設に求められる「大学教育の質的転換」,「大学の強み・特色の重点化」など重要課題への対応については,キャンパスマスタープランを踏まえつつ,的確に進めることが重要である。その際,学生等の学修活動や研究者等の研究活動等を活性化させていく観点から,様々な交流空間やフレキシブルな教育研究空間を確保していくことが重要である。
さらに,女性研究者や外国人研究者・留学生,障害のある学生,地域住民など多様な利用者に配慮した整備を行うことも重要である。
なお,整備に当たっては,スペースの利用状況の点検等により既存施設について最大限有効活用を図りつつ,計画的な改修等を進める中で,機能強化や教育の質的転換の推進のための施設面でのニーズに対して,リノベーション(教育研究の活性化を引き起こすため,施設計画・設計上の工夫を行って,新たな施設機能の創出を図る創造的な改修)の実施等により対応していくことが重要である。
また,改修や改築の際は,施設の集約化により敷地を有効活用することや,保有する建物の総面積を抑制することで維持管理費等を縮減し,その縮減した費用を教育研究水準の向上に資する環境整備に投資するなど,大学経営の視点を踏まえ,施設の管理運営を行っていくことが重要である。

以上の点を踏まえ,以下の三つの課題に取り組む必要がある。

1)安全・安心な教育研究環境の基盤の整備
教育研究活動を支える基盤として,安全・安心な教育研究環境を確保するため,耐震対策,老朽施設の改善整備により,国際的にも信頼性の高い施設基盤の整備を推進していく。
特に,老朽化が進行している基幹設備(ライフライン)については,事故防止や防災機能強化の観点から,計画的な更新等を推進していく。

2)国立大学等の機能強化等変化への対応
「国立大学経営力戦略」等に基づく大学等の機能強化や地域社会との連携等を一層進めるため,国立大学法人等の施設が,強み・特色の重点化,グローバル化,イノベーション創出や人材養成機能の強化等の機能強化を活性化させる役割を果たせるよう,施設の機能改善や施設・スペースの学内配分の最適化等を推進していく。
また,継続的に医療等の変化へ対応していくための大学附属病院施設の整備を推進していく。

3)サステイナブル・キャンパスの形成
経年劣化により施設が老朽化していく中で,施設の改修や基幹設備(ライフライン)の更新等に際しては,省エネルギーや環境負荷の低減に一層貢献できる整備を推進していく。
また,新増改築に際しては,キャンパスの通風,日照,雨水の利活用,自然環境との共生や再生可能エネルギーの導入などを推進していく。
これらの取組を通して,サステイナブル・キャンパスの形成を図り,次世代の社会モデルとなる施設の整備を推進するとともに,将来を担う学生に対するESD(持続可能な開発のための教育)における環境教育,エネルギー教育,生物多様性などの実践の場,最先端の知識を実践する場として大学キャンパスを活用していく。

(2)国立大学法人等は,本計画の趣旨を踏まえ,長期的な視点に立って,より効果的かつ効率的に施設整備を実施するため,基本理念やアカデミックプラン,経営戦略等を踏まえたキャンパス全体の整備計画(キャンパスマスタープラン)を策定・充実するとともに,当該プランに基づいた計画的な施設整備に努める。
また,経営者層のリーダーシップによる全学的体制により戦略的な施設マネジメント及び多様な財源を活用した施設整備をより一層推進する。...(略)...

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